2026/01/26 09:57
新入りスタッフがインタビュー形式で代表の齋藤ももこに話を聞きました。 ー大学で獣医学部を卒業したのち、対馬で野生動物管理に関わってきたももこさんですが、 獣医でありながら、野生動物と人との共存についてずっと考えてこられたというのは、なぜですか? も:私は幼いころ、とにかく動物が大好きで、父が医者だったこともあり「大きくなったら動物のお医者さんになればいいじゃない!」という周りの大人の声に乗せられ、気づいたら獣医を目指すようになっていました。 しかし、いざ獣医学部に入ってみると、動物の体の構造や病理、感染症などを徹底的に覚えるような授業が多く、動物のお医者さんとして必要な知識だということは理解できていても、その知識を学ぶことに没頭できない自分に気づきました。 そんなとき、テレビで自然観光大国・コスタリカで、経済発展に伴い野生動物の生息環境が悪化していることを知ったんです。 野生動物をはじめとする自然が経済を支えているにも関わらず、「経済ばかりを発展させた結果、観光資源でもある野生動物や自然を不幸にしているのではないか?」と疑問を抱きました。 そのときから、人間と野生動物が共存できる社会のために何ができるんだろうと考えるようになりました。そして、その答えのヒントを探すため、大学生のときに訪れた場所の一つが対馬でした。 ーそのとき対馬ではどんなことを経験されたんでしょうか? も:対馬では当初、ツシマヤマネコの保護について学ぶはずでした。しかし、地元の方にとにかく言われたのは「畑に出る鹿や猪の被害をどうにかしてくれ」ということでした。 また、その時に一番課題になっていたのは、被害対策に当たっていたハンターさんのモチベーション低下です。 ある小学校に猪が出没し、捕獲に呼ばれて対応に向かったところ、教室にいた隠れた子供たちに「命を奪わないで」「殺さないで」と叫ばれ、警察も鉄砲を持っているハンターさんに目を光らせ、常に監視されたという出来事があったそうです。 集落の方に頼まれてわなをかけた際も、「ありがとう」ではなく「よくそんな野蛮なことができるね」と声をかけられる。自分の時間を割いて、危険を顧みず被害対策に当たっているハンターさんたちが、地域の人たちにそういう言葉をかけられて、どれだけしんどかっただろうなと思いました。 捕獲に取り組むハンターさんたちにそういった声をかけている一方で、地域の人たちは完全に何かの命を奪わない生活をしているのかというと、そうではないんです。
日常的に牛や豚、魚も食べているし、野菜だって同じいのちだと考えると、常に何かのいのちをいただいて生きている。それを棚に上げて、「捕獲」や「殺す」という部分だけを切り取っていたり、猪や鹿の捕獲についても「なんのためにやっているか」という部分を知らないから、そういう感覚になってしまったりしているのかもしれないと思いました。



